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FHC
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計画地周辺は、卯建壁のある伝統的な商家建築郡で構成され、瓦葺の深い軒が特徴的なまちなみをつ くっている。本計画の既存建築物も同様に、深い軒を特徴とした築40年のRC造平屋で、待合室にあ るベイウィンドウが建物の水平性をより助長している建築であった。 内外部空間においてシンプルに空間の水平性を強調することに焦点を当て、それを邪魔す る既存部分を解体し、助長する部分を増設するという方法で改装し、休診せずに工事を行える範囲で 計画とした。外観は、エントランスの一部以外は解体せず、2種類のアルミパイプを方向性をつくらずに庇と小庇 の間に設置することでファサードに奥行きを与え、既存の庇をより強調した有機的で軽やかな表情に 変えた。内部空間は、白を基調にした清潔感のある空間とし、ベンチやカウンター、腰壁、小庇等、用途に 関係なく水平に拡がる要素をインテリアラーチで統一することで、空間に温かみを与えながら拡がり を感じさせるよう努めた。待合室の一部の壁は撤去し、受付周りに耐震壁を集中させたコアをつくる ことで空間にメリハリを与えた。 内部空間と外観を無理に同じデザインコードで解くのではなく、「水平性」という空間の特性のみを 同調させることで、既存建物に順応しながらおおらかな空間をつくりだした。
計画地:福井
用途:診療所
構造:RC造
階数:地上1階
規模:197.㎡
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